血液

け【けつえき：血液】

世界初の輸血は？ †

• 正しい医学知識の基に行われた輸血として記録に残っているのは1818年のイギリス・ロンドンでの事です。
  ガイ病院のジェイムズ・ブランデル医師が行い成功した物です。
  
• その段階で、違う血液型の物を輸血すると凝固してしまうと言う事が解っていたので、難なく成功したのです。
  

• 実は単純に「世界で最初に輸血手術をしたのは？」と言うと1677年にまで遡ります。
  フランスの医師ジャン・バプティスト・ドゥニが行った輸血は「血液型が違う」とか言うレベルの話ではなく、輸血した血の持ち主はなんとヒツジだったのです。
  患者だった少年にヒツジから採った血液を輸血したのです。
  しかし、ちゃんと輸血することが出来なかったのか、少年は奇跡的に助かりました。
  もちろん、ヒツジの血が良かったというワケではありません。
  

2月26日　血液銀行開業記念日 †

• 1951(昭和26)年.2月26日、日本初の血液銀行・日本ブラッドバンク(後のミドリ十字。吉富製薬と合併し現在はウェルファイド)が大阪に設立されました。
  
• 血液銀行は、献血などにより提供者から採取した血液を保存管理して輸血に必要な血液を確保し、必要に応じて供給する機関で、GHQの指示により設置されました。
  翌1952(昭和27)年に、日本赤十字社も血液銀行を設立しました。
  

8月21日　献血記念日 †

• 1964(昭和39)年.8月21日に献血の推進が閣議決定された日を記念して、8月21日に制定された。
  それまで手術用などの輸血血液は「売血制度」だったのだが、その方法と決別して献血の推進が閣議決定された。
  

• 売血常習者の血液は血球が少なく血漿部分が目立つため「黄色い血」と呼ばれていました。
  この血液は、輸血しても効果がなく、また、輸血後に肝炎などの副作用を起こしがちだったため、大きな社会問題となっていました。
  
• 1974(昭和49)年に民間商業血液銀行が預血制度を廃止したことにより、全てを献血で確保する体制が確立しました。
  

1分間体一周の旅 †

• もし血管だけを撮影することのできる装置があったとして人間の体を写真に撮ると網の目のような奇妙なものが浮かび上がってくるはずです。
  

• 骨と筋肉を除いた後の人体はその80パーセント?以上が血管といっても過言ではないからです。
  血管の中を流れる血液は心臓を出発して一分以内にはすべて心臓に還流してきます。早い場合は23秒というのですから、かなりのスピードで血液は体の隅々まで駆け巡っているわけです。
  

• 血液は肺で酸素、消化器で栄養分をもらって運び、帰りは老廃物や炭酸ガスを受け取ってそれを腎臓や肺に廃棄するのです。
  これが猛スピードで休むことなく繰り返されておりストップすると死にます。
  血管はたいていバイパスが用意されているのでケガで切断したり、何かがつまっても大丈夫ですが、脳や心臓の一部のようにバイパスのないところもあるので、そんなところがつまると危険です。

静脈と動脈の色 †

• 静脈から血を採ると黒っぽい血が出てきます。それに反して動脈は鮮やかな赤い色をしています。
  なぜ、静脈と動脈の色が違うのでしょうか？
  血液の赤い色は赤血球の中に含まれるヘモグロビンが赤い色をしているために赤く見えます。
  

• ヘモグロビンとは酸素を体中に運ぶ役目をしています。
  酸素とヘモグロビンがくっつくとあの鮮やかな赤い色になるわけです。
  ヘモグロビンが酸素を放すと黒っぽい色になってしまうのです。
  だから帰り道である静脈の血液は黒っぽい色をしているのです。
  

血を止めるには・・・ †

• ナイフなどで切ってしまい、血が出た場合はどのように処置しますか？
  よく「冷やすとよい」と思っている人も居ますが、ナイフなど鋭利なもので切った場合は『暖める』が正解です。
  

• 普通、暖めてしまうと血行がよくなってしまい、さらに出血がひどくなってしまいそうな気もしてしまうのですが、それは大丈夫な仕組になっているのです。
  血が固まるのは、血のなかに含まれている『血小板：けっしょうばん』の作用です。 血小板とは赤血球よりも小さな細胞で、酸素に触れると活動が活発になってお互いがくっつく性質をもっています。
  その時により暖かいと活動が活発になるのです。
  

• それと同時に、血液中にはタンパク質も含まれていて、これは暖められると固まる性質をもっている。
  つまり、暖めることによって血が早く固まって止血することになるのです。
  と言っても、いきなり熱いものをあてがうと、酸素が死んでしまい血小板が活動できなくなってしまいます。
  さらに熱いものをあてがうと、切り傷プラス火傷という最悪な状態になってしまうので要注意。
  

12月4日　血清療法の日 †

• 1890(明治23)年.12月4日、北里柴三郎?とエミール・ベーリングが破傷風とジフテリアの血清療法の発見を発表しました。

更新履歴 †

• 1999.00.00
• 2000.01.31(体一周の旅)知泉No.124
• 2000.10.20(血を止めるには)
• 2002.06.28(世界初の輸血)

関連サイト †

• 日本赤十字社：http://www.sphere.ad.jp/redcross/
• 日本赤十字社血液事業部：http://www.kenketsu.org/
• 日本赤十字社中央血液センター：http://www.jrc.or.jp/
• ウェルファイド：http://www.welfide.co.jp/