とうもろこし
Last-modified: 2007-01-03 (水) 13:54:17 (6321d)
と【とうもろこし:玉蜀黍】
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分類 †
- 学 名:ZEA MAYS L.
分 類:イネ科トウモロコシ属/1年草
別 名:玉蜀黍/ぎょくしょくき
外国名:英語:SWEETCORN
仏語:MAIS SUCRE
原産地 †
- 原産地はアメリカ大陸とされていますが、実際の処は、その正確な原産地はまだ特定されていません。
『南米アンデス山脈説』『メキシコ説』の2つの説がある
歴史:アメリカ大陸からヨーロッパへ †
- 紀元前よりアメリカ大陸の先住民に栽培されていた穀物で、歴史的に見るともっとも古くから栽培されてきた穀物と言えます。
15世紀頃までにはアメリカ大陸を移動しながら生活していたインディオによって、アメリカ大陸の北から南までのかなり広い地域で栽培される様になっていたと言われています。
15世紀末・1492年にアメリカ大陸に到着したコロンブスが珍しい穀物野菜をいくつか持ち帰った中にトウモロコシが含まれていました。そしてスペインを起点にトウモロコシはヨーロッパ全土に広まり、そのままアジアやアフリカへも伝えられ、急速に世界中に広まったのです。
歴史:日本にやってきた †
- 渡来・1
日本へは、安土桃山時代の天正7年(1579年?)にポルトガル人が長崎に伝えたのが最初です。
南蛮黍(なんばんきび)や玉黍(たまきび)などと当時は呼ばれていましたが、この時代に輸入されたとうもろこしはアメリカ大陸で発見されたままの改良されていない原種でした。
この当時のトウモロコシは、九州や四国の山間部や富士山麓などで栽培されていました。
江戸時代に書かれた食の本『本朝食鑑』には「当今俗説に、南蛮黍の根節が地から高くでると、その年は必ず大風がある。反対に低いときは、その年は必ず無風である」と書かれている。
- 渡来・2
現在のような粒がギッシリつまった品種改良をされたとうもろこしは、明治時代の始め頃にアメリカから再度伝わってきたもの。
とうもろこしの豆知泉 †
便利な食材・1 †
- とうもろこしは日本では料理などの素材の一つとして扱われていますが、地域・国・民族によっては主食として扱われています。
その応用範囲はとても広く「焼く」「茹でる」「すり潰す」「熱ではじけさせる(ポップコーン)」「すって乾燥させる(シリアル食品)」などと、いろいろな食品に加工され調理されて食されています。
しかも、とうもろこしの食材としての最大の利点は、焼いても茹でても栄養価がほとんど低下しないと言う事が上げられるのです。
そのままの食用として調理して食べるという以外の利用法では、胚芽からコーン油などが作られます。
便利な食材・2 †
- 直接食べる以外の使用法として、デンプンをとりだし分離させる事によって「コーンスターチ」を作り出したり、ぶどう糖の原料やアルコールの原料として使用することもある。
デンプンを発酵させ蒸留した物が「バーボンウィスキー」です
種子の胚芽に含まれている油を抽出して「食用油」「マーガリン」を作る事もある。その油を「石鹸」「グリセリン」などに利用加工する事もある。
意外な処では、トウモロコシの茎の髄が均一に燃焼する性質を持っているので、爆薬の導火線として用いられたりする。
便利な食材・3 †
- トウモロコシのデンプンを発酵させてバーボンウィスキーを作りますが、アンデス地方でもアルコールの原料として使用されてます。
と言っても方法はかなり違っていて、トウモロコシを発芽させて、芽だけを摘み取り、これを長時間煮込みその後発酵させて「チチャ」と言う酒を作ります。
メキシコではトウモロコシの粉を水を加え薄くのばし、酵母菌を入れずに焼いたトルティーアが食べられています。
これに玉ねぎ・チーズ・肉などを詰めて、油で揚げた物がタコスです。
品種:甘味種(スィートコーン) †
- 『ハニーバンタム』(スーパースィートコーン)
1965年頃に導入され、1970年代にトウモロコシの代表種になる。甘みが強く、長持ちするが種皮が厚く加工用には向いていない。
スィートコーンの突然変異種で従来のスィートコーンの3倍の甘みを持つ。
焼く・蒸すの他、スープ・煮込み・コロッケなどに利用され用途は広い。 - 『ピーターコーン』(バイカラー種)
粒の色が2種類混在しているバイカラー品種で、黄色粒の中に白色粒が混じっている物で、粒皮が非常に軟らかい。 - 『シルバーコーン』
ハニーバンタムの白粒種。
乳白色で小粒でつやがある。粒皮がやわらかく甘みも強いので、サラダにも使用できる。 - 『ヤングコーン』(ベビーコーン)
サラダや中華料理に使用されるが、他のトウモロコシと違って粒状ではなく全体を使用される。
日本では専用種はなく、生食用の甘味種(ハニーバンタム・ピーターコーン・シルバーコーン)の二番此種を利用している。
水煮の瓶詰め・缶詰として売られて、サラダやシチューなどに利用される。
品種:加工用品種 †
- 『硬粒種』(フリントコーン)
スィートコーンが入ってくる前までは日本各地で栽培されており、現在のスィートコーンと同様に利用されてきた。
「甲州」と言う品種が代表種
現在は飼料や工業用原料として利用されている。低温にも強い。 - 『馬歯種』(デントコーン)
粒が大型で子実の収量が多い。飼料・あるいはデンプンなどの工業用加工品に用いる。
世界で最も栽培量の多いトウモロコシでもある。 - 『爆粒種』(ポップコーン)
おもに菓子用に使用され、アメリカの需要が最も多いトウモロコシ。
完熟してから子実を収穫する。
乾燥させた子実をフライパンなどで過熱すると、粒の中央部の軟質デンプンが急激に膨張し爆発(ホッピング)して、菓子のポップコーンになる。
品種:原種 †
- トウモロコシの原種であると言われているテオシンテと言う植物には、いわゆるトウモロコシの粒の様な物は、ほんの数粒ついているだけで、それを人間が品種改良を重ねた物が現在のトウモロコシ。
その原種は現在では絶滅してしまったと言われている。
健康食 †
- とうもろこしはタンパク価が非常に低いので、タンパク質を別に補給する必要がある。
- 【高カロリー食】
とうもろこしは、糖質の多い高カロリー食品で、胚芽にはビタミンB1・B2・E・植物油も多く、食べておいしい。 - 【赤痢の治療】
メキシコのいくつかの地域では、トウモロコシは赤痢の治療薬として使用されている。
トウモロコシは糖尿病に良いとして食べられている。
アメリカではトウモロコシは利尿剤、あるいはおだやかな興奮剤として知られている。 - 【抗ガン剤】
ガンを予防すると言われるプロテアーゼ阻害物質を高率に含んでいる。
1981年ルイジアナ州立大学メディカルセンターで、世界中の統計を元にしてトウモロコシ・豆・米の消費量とガンによる死亡率には相関関係がある事を明らかにしている。
つまりこれらの食物を多く摂取しているほどガンでの死亡率が減るのだ。 - 【虫歯の予防】
47ヵ国の調査で、米や小麦からのデンプンを摂取している人たちより、トウモロコシからのデンプンを摂取している地域に住んでいる人たちのほうが虫歯になる率が少ない事が明らかになっている。 - 【高血圧・動脈硬化・狭心症の予防効果】
比較的バランスよく栄養素を含んでいる。油は脂溶性ビタミン(A・D・E・K)の吸収をよくする。
ビタミンEが非常に多いので、抗酸化剤として老化防止に、高血圧や動脈硬化・狭心症等の予防に効果がある。 - 【コーン油・不飽和脂肪酸】
コーン油には、リノール酸という不飽和脂肪酸が多く、コルステロールの血管への沈着を防ぐ。
これも食物繊維やカリウムとともに、動脈硬化を予防し、高血圧・狭心症の予防に効果がある。
しかし、コーン油は善玉のHDLコルステロールの価まで下げてしまうので要注意。
コーン油は便秘にも効く。
*心臓病などにはコーン油よりオリーブ油の方が良いと最近の調査で判明している - 【ミネラル】
とうもろこしにはミネラル(リン・カリウム・亜鉛・銅)などもかなり多い。 - 【慢性腎炎・尿路結石】
とうもろこしには利尿作用がある。中国では、慢性腎炎・尿路結石の患者には乾燥とうもろこしを煎じて飲ませている。
また実験では、狭心症の予防として血中脂肪の減少に効果がある。 - 【自立神経失調症】
とうもろこしの芯の煮汁にはちみつを加えた物は、寝汗防止・自律神経失調症に 効果があると言う。
とうもろこしのヒゲと呼ばれている物を(南蛮毛とも言う)乾燥して、1日3回ほど約60グラムを煎じて飲むと、利尿効果がかなりあり、むくみが取れると言う。
それ以外にも、このお茶に関しても様々な薬効があると言われている。
保存 †
- 完熟していないとうもろこしは鮮度が落ちるのが極めて早い。さらに皮を剥いた物の鮮度も早く落ちる。さらに横に寝かせておくと鮮度の落ちが早まる。
その為には、貯蔵する為には葉が付いた物を購入する事をお勧めします。さらに毛の先端が褐色がかったものがベスト。 - もし葉が付いた物がない場合は、ラップなどでくるむ事も長持ちさせるコツ。さらに立てておくと長持ちする。
更新履歴 †
- 1998.00.00