にんじん

に【にんじん：人参】

分類 †

• 学　名：DAUCUS CAROTA L.
  分　類：セリ科ニンジン属
  別　名：
  外国名：英語：CARROT
  　　　　仏語：CAROTTE
  

原産地 †

• 現在、一般的にニンジンと呼ばれ食べられている種類はセリ科の物で、ヒマラヤ?・ヒンズークシの山麓が原産地と考えられている。

• 薬用として名高い「高麗人参（朝鮮人参）」はウコギ科の多年生草木。

歴史 †

ヒマラヤ・ヒンズークシ山麓に原生していたニンジンが、いつしかヨーロッパで栽培されるようになり、その後シルクロードを伝わって13世紀（元の時代）に中国に入ってきた。
それ以前から中国には「高麗人参」が存在していた為、今でもニンジンと言うと、高麗人参のことを差す。

渡来 †

• 日本へは16世紀（室町時代）にやってきた。

知識 †

• 春から初夏にかけて柔らかくて甘みのある新ニンジンが出る。
  葉の付いた葉ニンジンは、葉も柔らかく栄養価が高いので、炒め煮やかき揚げなどに活用するとよい。
  三寸・五寸ニンジンは夏、日本ニンジンは秋が旬。
  緑黄色野菜の代表選手といえ、カロチン・ビタミンＡ?を多く含み、貧血や疲れやすい人の体力増強に効果がある。
  調理法では、体内にビタミンＡの効力になるカロチンの有効度は生だと１割程度だが、煮れば３割、油で調理すると５〜６割となり、油と一緒に食べるのがよい。
  また、ビタミンＣ?を破壊する酵素を持つので、ビタミンＣを持つ大根などの野菜と一緒に調理する時は、酢かレモン汁を加え、早目に食べると損失が少なくてす む。
  

語源 †

• ニンジンは漢字で「人参」と書くが、これは人間に似ているという意味で名付けられた。
  もっとも最近、市場に出回っている人参はまっすぐで想像できないかも知れないが、かつてのニンジンは二股・三股に枝分かれしているような物が多く、それが当たり前だった。
  

健康 †

• 【カロチン】 ニンジンにはとにかくカロチン（プロビタミンＡ）が多く含まれている。
  （100ｇに7.3ミリｇ）
  このカロチンの中でも特にβカロチンは、肺ガンを抑制する作用がある事が1986年に実証された。
  ビタミンＡの不足により食道ガン・口咽頭ガン・子宮ガンが増加するという事が言われている為、アメリカでは１日１本のニンジンを食べることが奨励されている。

• 【ビタミンＡ】 カロチンは小腸でビタミンＡに変化する。
  このビタミンＡは目に関した病気と結びついていて、不足すると夜盲症（鳥目）になったりする。
  逆にビタミンＡが満ち足りていると暗い場所でも目がかなり利くように成るという。さらに目に関した事では仮性近視・老視（老眼）・白内障などの予防に効果がある。

• 【ガン予防物質】 ニンジンの中にはカロチン・クロロフィル（葉緑素）・ステロールテルペンと言ったガン予防物質が多く含まれている。

• 【インポテンツ】 ミニキャロット（三寸ニンジン）をジュースにして毎日コップ一杯づつ飲んでいると、インポテンツ?が解消すると言われている。

• 【肌荒れ・風邪】 ニンジンジュースを毎日少量でも飲んでいると肌荒れに効果がある。
  風邪などにも絶大な効果あり。

• 【成人病】 ニンジンにはミネラル（カルシウム・カリウム・ヨウ素・イオウ）が多く含まれている。
  さらに含まれているペクチンは整腸効果がある。食物繊維も多く含まれているので、成人病の予防にもなる。

• 【下痢止め・鎮静作用】 ニンジンには体を温め、胃腸の機能を高める作用がある為、下痢にも利き、鎮静作用がある。

• 【冷え性・低血圧・貧血】 ニンジンには体を温める作用があるので冷え性にも利く、それ以外に低血圧や貧血症にも効果がある。
  ヨーロッパでは赤ん坊の離乳食はニンジンジュースから始めると言うほど、血を造る作用がある。

欠点 †

• 【肝硬変】 ニンジンは毎日摂取すべき野菜だが、過食しすぎると柑皮症（カロチン血症）になり、悪化すると肝硬変になると言われている。

• 【肺ガンの薬と毒】 ニンジンに含まれているβカロチンが肺ガンの抑制に利くと書きました。
  しかし過食が酷くなるとラットを使った研究では通常より18％肺ガンの発生率が高くなることが実験で導き出された。

ニンジンジャム †

• ニンジン500ｇとリンゴ１個をすり下ろし、砂糖300ｇ・レモン２分の１個の汁を合わせ、アクを取り除きながら煮込む。

更新履歴 †

• 1997.00.00