ツバ

つ【つば：唾】

上品な唾の吐き方 †

• 1530年にオランダで出版された子供の礼儀作法を書いた『子供の礼儀作法についての覚書』という本の中には「上品な唾の吐き方」という項目がある。
  
• 16世紀のヨーロッパは子供の礼儀作法に厳しく、上品な人間に育てようという風潮が強かったために、生活の事細かな部分にも注意をしていました。
  

• その本によると第一章『身体について』に「唾を吐く時は、他人にかからないように背を向けてやりなさい」「出てきた唾を決して飲み込んではいけない」と書かれている。
  当時のヨーロッパでは、人前で唾を吐くことはマナー違反ではなかった為に、その中でいかに上品に振る舞うかという事が大切だったみたいなのです。
  

• この『子供の礼儀作法についての覚書』を書いたのはキリスト教哲学者で教育者のエラスムスという人物で、ルネサンス期を代表する人文主義の古典文学者で、当時の教養人の中ではトップクラスの人間でした。
  
• それ以外の項目では「オナラは溜め込まず、人目を避けてするべし」などと、生理現象に関しても事細かなルールを提案しています。
  
• この本は当時大ベストセラーとなり、著者が生存している間に30版を重ねたそうです。