げてもの

け【げてもの】

実は普段食べている物がゲテモノ †

• いわゆるグロテスクで趣味の悪い食材を好んで食べることを「ゲテモノ喰い」などと言ったりします。
  あるいは、いかにも趣味の悪い異性を好むことなどもこのように言ったりします。
  食のほうのゲテモノ喰いってのも実際のことを言えばあくまでも個人的なもので、以前は多く食べられていた「食用ガエル」や「イナゴの佃煮」みたいな物は現在はゲテモノ喰いのメニューですし、明治初期ならば「動物の肉」などやさらに「モツ」などは激しくゲテモノ喰いだったと思います。
  

• 実はこの「ゲテモノ」と言う言葉は江戸時代の中期までは、現在のような趣味の悪い食べ物と言う意味ではなく「値段の安い素朴な食べ物」「あか抜けない田舎料理」と言う意味合いの言葉で、上品な「上手：かみて」に対する「下手：しもて」が「下手：げて」と呼ばれるようになったのです。
  だからいわゆる「一般庶民が食べているような料理」がゲテモノだったのです。
  そこでいわれていた「大衆的なもの」という意味が「粗雑な物」という意味へと替わり、さらに「邪道なもの／奇異なもの」と言うニュアンスへと変化していったのです。
  

• 下手の反対語の「上手」には《精巧に心と技を込めて作られた高価なもの》という意味があるので、それの反対語だと言う説もあります。
  

• 「呆れる／驚く」と言う意味の古語《けでん：怪頴》が語源という説もあります。
  

• 「仏教の書物以外」を意味する《げでん：外典》が語源という説もあります。

更新履歴 †

• 1999.00.00.知泉