味気ない の変更点


 [[あ]]:味気ない:あじけない
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 *語源 [#v36113ca]
 -ゆとりや味わいが少なく、風情に乏しい状態を《味気ない》と言います。~
 この言葉の語源には諸説あります。~
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 +昔は《味気なし:あじきなし》と呼んでいたといい、味(=妙味・魅力などの実体)気(=その様子)を意味している。つまり、面白みや魅力などを醸し出すムードが無いと言う意味。~
 +古代語の《あつきなし》が元という説で、ここで言う《あ》は接頭語で、《つきなし》というのは「似つかわしくない・その場にふさわしくない」と言う意味だと言うものです。~
 +8世紀にかかれた『[[日本書紀]]』の中には「素戔嗚尊(すさのおのみこと)汝甚(いましいたく)無道(あつきなし)」と書かれていたりします。~
 この文章の意味は「スサノオは乱暴者で手が付けられない」で、無道=道から外れていると言うことで、まっとうな人間としてふさわしくない行動をしている(=あつきなし)と言うことを指しています。~
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 *変化する《味気ない》 [#n9ad8990]
 -10世紀後半ぐらいから、「無益無用」と言う意味になり、現在の味わいのない状態をも指すようになりましたが、それと同時に「ゆとりが無い」「情けない」さらには「努力する意味がない」などと言う意味も加わってきました。~
 さらに12世紀末頃(平安時代末期)には「やるせない・切ない」と言う意味ででも使われるようになっていきました。~
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 -そのように複数の意味を持って使われていた「味気ない」と言う言葉ですが、江戸時代初期の1603年に書かれた日本語とポルトガル語の通訳辞書『日葡辞書:にっぽじしょ』の中には(【agiqinai:あじけない】苦痛と失望とから起こる悲しみ)などと書かれていたりします。~
 この時代には「味気ない」と言う言葉もかなり重い意味で使用されていたらしいのですが、それから400年が経過した現代では、かなりライトな意味に変化しています。~
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 *更新履歴 [#ad7b53a4]
 -2000.00.00.知泉
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