不審船

ふ【ふしんせん：不審船】

不審船事件 †

• 1999年3月23日午前：不審船威嚇射撃事件
  
• 新潟県.佐渡島の西約90kmと能登半島の東約46kmの日本領海内で、海上自衛隊の航空機が漁具を積載していないなど不審点がある漁船2隻を発見した。
  自衛隊から連絡を受けた海上保安庁が船体に書かれた船名などを元に調査したところ、漁船原簿から抹消された廃船と偽名の船であることが判明した。
  海上保安庁の巡視船9隻、航空機2機、海上自衛隊の護衛艦などが追跡し、信号などで停船命令を出したが、2隻ともこれを無視して逃走した。
  

• 1999年3月23日午後8時すぎ
  
• 新潟県の佐渡島沖北方、約250kmの公海上で巡視船艇2隻が不審船の船尾付近の海面に機銃などによる威嚇射撃を実施。

• 1999年3月24日午前1時すぎ
  
• さらに護衛艦が2回にわたり警告射撃をした。
  自衛艦による警告射撃は初めて、海上保安庁の威嚇射撃は53年以来という。
  

• 1999年3月24日
  
• 2隻の不審船はいずれも日本の防空識別域を越えたため、海上自衛隊の護衛艦は追跡を打ち切らざるを得なかった。
  初めての自衛隊法に基づく海上警備行動を発動した海上自衛隊は、護衛艦が2隻の不審船に対して、停戦命令を出すとともに合計25回の警告射撃をした他、哨戒機が不審船の前方などに計12発の爆弾を投下したが、不審船は無視して逃走したと発表。
  不審船の船籍などは明らかではないが、防衛庁筋によると同じころ北朝鮮軍が警戒態勢に入っていたことなどから、政府は北朝鮮に関係があるとの見方を強めている
  

• 逃走の不審船、政府が北朝鮮に引渡しを要請
  政府は、北朝鮮の北京大使館やニューヨークの国連代表部を通じ不審船舶が同国の領海に入った場合には拿捕し、船舶と乗組員を引き渡すよう北朝鮮側に申し入れたが、北朝鮮側から応答は無かった。
  

• 1999年3月25日
  
• 不審船は北朝鮮に入港
  野呂田芳成防衛庁長官は緊急に記者会見し、能登半島沖で発見された2隻の不審船が日本海を北朝鮮方向に逃走した事件について「本日早朝までに不審船2隻が北朝鮮北部の港湾に到達したと判断した」と発表した。
  

• 1999年3月27日
  
• 北朝鮮が「不審船事件は謀略」と公式論評
  朝鮮中央通信によると、北朝鮮の工作船とみられる不審船2隻が日本領海を侵犯した事件に関連し、北朝鮮外務省スポークスマンは「われわれは不審船という船舶について知るところでない」との談話を発表した。
  談話は最後に、同事件が日本側による謀略としかみられないとし、日本が日米防衛協力指針(ガイドライン)関連法案の国会通過のために事件を仕組んだと主張。
  同日、小渕首相はこれに対して不快感を表明した。

• 1999年3月30日
  
• 不審船を北朝鮮工作船と政府が断定
  政府は、日本領海を侵犯して逃走し、北朝鮮北部の清津港に入港した不審船2隻について「北朝鮮の工作船」と断定し、北朝鮮に厳重に抗議する方針を決めた。

更新履歴 †

• 2006.05.05