大統領

た：大統領(だいとうりょう)

解説 †

• 英語では《President of the republic》で、共和国における元首。
  一般的に、直接国民から選挙で選び出される場合（アメリカ・フランス・フィリピン・アルゼンチン等）と、議会などの機関から選出される場合（イタリアなど）もあり、所定の任期の間、国の行政を統べる行政権の最高首長の事を言う。
  19世紀にはこの制度は少なかったが20世紀になって、第一次第二次世界大戦の結果、王国・君主国が激減した為に、大統領制の国が増えた。
  

いよっ大統領！ †

• 日本でも古代より「大統領」と言う言葉があったが、それは選出された元首の事ではない。ここで言う「大統」とは《天皇の系統》の事。
  つまり「大統領」とは、その土地を納める最高権力者と言う意味を含んでいる。
  

• かけ声にある「いよっ大統領！」は本当は「大頭領」が正しく、これは「大親方」みたいな偉い人の事を差していっていた言葉で、今でも大工さんの親方の事を《頭領：とうりょう》と呼んでいる。
  これが、外国の元首《大統領》といつの間にかすり替わって言われるようになったものとされている。
  

アメリカ大統領の悲劇 †

• アメリカ大統領には不吉なジンクスが存在している。
  それは最後にゼロがつく年に当選した大統領は不幸が訪れると言うもので、それは1840年から始まっている。

1. 1840年に行われた第14回選挙で当選したウィリアム・ハリソン。
   ハリソンは41年3月の就任の宣誓式で雪の中で長い演説を行った為に肺炎になってしまい、在任32日で死去してしまった。
   もしかしたらこのハリソンの無念がその後の不幸なジンクスになっているのでは？などとも言われている。
   
2. 1860年に行われた第19回選挙で当選したリンカーン。
   その後、64年にも二選しているが、二期在任中の1865年4月14日に暗殺されている。
   
3. 1880年に行われた第24回選挙で当選したガーフィールド。
   在任中の1981年7月2日に精神異常者に射殺され死去した。
   
4. 1900年に行われた第29回選挙で当選したマッキンレー。
   二選目選挙が1900年だったが、在任中の1901年9月6日に無政府主義者に撃たれて死去。
   
5. 1920年に行われた第34回選挙で当選したハーディング。
   汚職や政治の腐敗が騒がれていた大統領で、その心労が積み重なってアラスカ訪問の帰途急死をしてしまった。これも在任中だった。
   
6. 1940年に行われた第39回選挙で当選したルーズベルト。
   ルーズベルトは1932年に初当選して4回当選しているが、その3回目が不吉な40年に当たっている。
   途中暗殺未遂事件があったが、その時は未遂に終わっている。
   しかしその後、1945年4月12日、在任中に病死してしまった。
   
7. 1960年に行われた第44回選挙で当選したジョン・F・ケネディ。
   ケネディの悲劇は有名だが、在任中の1963年11月22日にダラスで射殺され、そのニュースは世界初の衛星中継で日本でも届けられた。
   
8. 1980年に行われた第49回選挙で当選したロナルド・レーガン。
   レーガンは現在も生きているが、その在任中に後に精神異常と判断された青年に狙撃された。この時、レーガンは胸に弾を胸に受けたが一命を取りとめた。しかし、その場に居合わせたブレイディ大統領報道官は復帰できないほどの重傷を受けた。
   レーガンはそれ以外にも任期途中に何度かがんの手術・再発をくり返していた。
   暗殺も病気も、昔ならば死んでいてもおかしくない状態だったワケです。
9. 2000年に行われた選挙で当選したのはブッシュ。 9.11テロなど国内初の大惨事を経験し、その後は第三次世界大戦とも思えるイスラム圏とのにらみ合いなど、いつ暗殺されてもおかしくない状況の中で、このジンクスを見事乗り切った。 といいつつ、任期中におかしのプリッツェルを喉に詰まらせて病院へ緊急搬送された事がある。

• これ以外の大統領で任期中に亡くなったのは、1848年に当選したテイラーのみだったりするので、この「20年ごとの悲劇」と言うのはアメリカでは恐れられているジンクスだったりするのです。
  

更新履歴 †

• 2000.02.05.知泉No.129