月並み

つ：月並み(つきなみ)

月並みは月並みじゃない？ †

• あまりに平凡で当たり前の物を指して《月並み：つきなみ》などと言います。
  この言葉にはどちらかというと、凡庸でつまらない物を馬鹿にするようなニュアンスが含まれています。
  実は、この言葉を言いだした優れた人たちが自らに《月並》と言う名前を当てていたことに始まる言葉なのです。
  

• 元々、《月並》と言うのは、毎月恒例で行われる（月例）などの事を言う言葉です（現在も使用されています）。
  

• 明治時代の中期、新しい時代の俳句の革命を目指した正岡子規が毎月、それに賛同した若手俳人を集めて句会を開催していました。その会の名前が《月並句会》でした。
  そこで、若手俳人達は旧態依然とした封建的で自分たちの俳句を認めようとしない、古色蒼然とした俳句の事を『卑属陳腐にて見るに堪えない』と攻撃していました。
  

• その事がいつしか昔ながらの古くさい物をバカにする時の言葉として《月並調》と呼ばれるようになり、現在のような意味になったのです。
  ［2001.06.25記載］