花見

は【花見】

花見の豆知泉 †

• 室町時代末期には、花見の正式な作法が書物として出版されていた

• 日本全国でお花見を楽しむ人は約3000万人とされている。 プロ野球の１年間の観客動員数が約1000万人なので、およそ3倍の人がお花見を楽しんでいる計算になる。 日本人は、イチローや松井より桜なのだ。

• 遅い花見：北海道の旭岳(あさひだけ)では、ちょうど７月が花見の旬。日本一遅い桜として有名。

• 江戸時代中期、多摩川?や隅田川?の土手に桜が植えられた。これは桜見物で人があつまる事により、土手を踏み固めてもらうという理由もあった。

花見の始まり †

• お花見と言うのは世界各地であり、自然を愛する心はどんな違った考えを持つ人たちの間にも共通にあると言うことが判る。
  しかし、いくら花が咲いたからといっても、その花のすぐ横でドンチャン騒ぎをすると言うのは日本人ぐらいだとも言われる。
  

• この日本独特の風習《花見》のキッカケを作ったのは、豊臣秀吉が主催した『吉野の花見』『醍醐寺の花見』と言われている。
  
• 戦国時代の下剋上を経た武将達が集まり、この世の春を祝おう、もう切った貼ったの世界は無いからパーッとやろうぜという主旨の物だったらしい。
  

• しかしこの時代に花見と言って、祝宴を開いていたのはあくまでも権力者たちだけだった。一般庶民が現在の意味の花見を始めたのは江戸時代の事だった。
  

• もっとも古い文献では、平安貴族によって行われた「花の宴」というものがある。といってもここで見ていた花は中国からの外来種だった「梅の花」で、これを愛(め)でながら詩歌を詠むというもので、酒宴を開くと言う類いのものではなかった。
  

• 平安京に都が移された時に、内裏(だいり)に桜が植えられ、弘仁3(812)年に嵯峨天皇が神泉苑(しんせんえん)で桜を見ながら詩歌を詠みあう「花宴」を開催したと『日本書紀』に記されている。「桜を見ながら宴」という意味ではこれが記録されている中でもっとも古い日本での花見となっている。
  
• この天皇が主催した花見はその後も皇室の恒例行事となり、その流れが現在にも続いている「春の園遊会」なのです。
  

• そう言う意味で、花見自体は天皇由来ですが、庶民的な「飲んで歌って大騒ぎ」という花見のルーツは秀吉の『吉野の花見』だと言う事ができます。
  

花見の解放 †

• 年一度の行楽と言うことで庶民が出かけたのは1652年〜1655年の承応年間の事で、場所は上野の寛永寺だった。
  
• が、お寺の敷地内と言うことで、夜桜見物はダメで、もちろん酒を持ち込んで騒ぐのもダメだった。
  

• そこで立ち上がったのが『暴れん坊将軍』として有名な（暴れん坊将軍なのは、あくまでも物語の中ですが）徳川八代将軍の吉宗。
  
• 吉宗は飛鳥山・隅田川などに桜の木を植えて、庶民のための花見の場所を提供し、まずは自ら飛鳥山で花見の宴をし『お花見、おおいにけっこう』とおふれを出したのです。（1737年）
  

• それから、現在に続くお花見のドンチャン騒ぎが始まったのです。

更新履歴 †

• 2000.00.00
• 2006.03.01.知泉