一番風呂

い?【いちばんぶろ：一番風呂】

一番風呂は身の毒 †

• 《新湯は身の毒》とも言うが、沸き上がったばかりのお風呂に入るのは体に悪いと言うことわざがある。
  

• これは健康で元気な人には当てはまらない言葉なのですが、お年寄りや体の弱っている人には気を付けないといけない格言だったりします。
  まず、一番風呂と言うのはまだ誰も入っていないために、お風呂の蓋はしたままになっています。その為に、冬場などは脱衣所だけでなく浴室でさえかなり寒くなっています。そこで一気に熱いお湯の中に入る温度の変化に体が付いていかず、体調を崩す原因になってしまうのです。
  

• さらに、新しいお湯には不純物があまり混じっていない為に、お年寄りの肌には刺激が強すぎるのです。
  不純物が少ない為に、皮膚の汚れや汗などが取れるのと同時に、カリウムやナトリウムなどの塩分までがお湯の中に溶け出てしまう為に、新陳代謝が弱まっているお年寄りには良くないのです。
  

• さらに、せっかく暖まったのに、寒い脱衣所で服を着て、再び暖かい部屋に戻るという温度差を体験しなくてはいけないので、体力を奪われてしまうとも言われています。
  つまり、お年寄りのお風呂は複数人が入って脱衣所も少し暖まり、さらに刺激のやわらいだ状態のお湯につかるというのが、健康にはいいと言うことなのです。

更新履歴 †

• 知泉No.087/1999.12.14