ペスト

へ?【ペスト】
こ?【こくしびょう：黒死病】

ペスト＝黒死病 †

• 14世紀から17世紀にかけてのヨーロッパは《暗黒の時代》とも称されるほど、ペストと言う病気が蔓延して、あちらこちらの村が壊滅状態だとか、多くの人間が手の施しようもなく亡くなっていたために、ヨーロッパの人々は「いつ自分も死ぬかわからない」と、病気に対する恐怖心を抱えていました。
  

• ペストと言う病気はネズミにつくノミが媒体になって、ペスト菌が人間に伝染して発病するものです。
  

• 発病すると、高熱を発し、激しい下痢状態になり体内の水分が流れ出すようになってしまうので、脱水症状から皮膚がひからび、その表面がどす黒く変色してしまい、死んでしまうと言う症状がでるために《黒死病：こくしびょう》とも呼ばれていました。
  

太陽が犯人？ †

• この時期にヨーロッパでペストが蔓延した原因の一つに「太陽の光が弱まっていたから」と言う説があります。
  

• 太陽と言うのは人類が誕生する前から、延々と燃え続けていますが、その活動は活発な時とやや弱まっている時期があり、それを繰り返しています。
  実際に、13世紀末から14世紀に掛けての記録をみるかぎりでは、この時代は太陽の活動が弱い時期に当たっていたらしく、地球全体が寒かったと考えられています。
  

• その為に、ヨーロッパのみならず地球規模で、作物が育たず栄養失調に陥っている人が多かったとされています。
  さらに、太陽光が弱まってしまったために人類の免疫力も低下していたと考えられているので、ペストが爆発的に伝染する要素は揃っていたと考えられています。
  

• 記録に残されている物としては、1347年に地中海で発生したペストが最悪のものです。フランスで発生したものがドイツ・イギリスを経て北欧までに広がり、その結果、たったの4年間でヨーロッパの人口の3分の1以上がペストが原因で亡くなったとされています。
  

• そして太陽活動が再び活発になった17世紀まで、ペストは断続的にヨーロッパで発生し続けました。
  

• ［関連話］
  
• その流行の末期とも言える、1664年、ケンブリッジ大学に通っていたニュートンはロンドンでペストが流行し始めたために、急遽、母親の実家のあるウールスソープと言う小さな村に避難しました。
  そしてそこで例の「リンゴが木から落ちるのを見て」万有引力を発見するのです。
  

魔女狩りとペスト †

• このペストが発生した原因のもう一つには、魔女狩りが関係しているとも言われています。
  これは悪循環なのですが、ペストが発生しはじめた頃「これは魔女の仕業に違いない！」と多くの人が思い、大規模な魔女狩りが行われました。
  

• と言っても実際に魔女がいたワケではなく、多くが冤罪で「あそこの家の娘は不思議な力を使って男をたぶらかしている」などと言う密告から、その真偽を問わずに捕らえ処刑したと言われています。
  
• 「なんとしてもペストの根源を絶たないといけない」と思う人々は、密告情報をとにかく信じるしかなく、魔女だろうと魔女でなかろうと、疑わしき物はすべて処刑していました。 その為に、ちょっとでも可愛くて男に人気のある女の子などは嫉妬の対象とされ、反感を持つ女性からの密告で処刑されたとも言われています。
  

• その魔女狩りと平行して「猫は魔女の使いである」と言う話を信じた人によって、多くの猫が殺されていました。
  このことが逆にペストを運ぶネズミを大量に発生させる原因になり、さらにペストが蔓延していくようになったとされています。

更新履歴 †

• 2001.06.21