コロンブスの卵

こ?【ころんぶすのたまご：コロンブスの卵】

1. コロンブス

コロンブスの卵 †

• 「コロンブスの卵」という話はよく知られている物です。
  卵を机の上に立てる事が出来るか出来ないという話で、コロンブスが卵の頭を机にぶつけて少し割り立てることが出来た話で、その直後他の人々が「そんなの誰でも出来る」と文句を言った時に
  
• 「最初にアイディアを考え出すのが難しいんだよ。結果が出ている物を実行することは誰でも出来る。」
  と語った物で、アメリカ大陸?を発見した冒険家であるコロンブスの物事を別の論点から見つめる姿を現した逸話として、伝記物には書かせないエピソードとなっています。
  

• しかしこの話はコロンブスが生きている間はどこでも紹介されておらず、1506年にコロンブスが亡くなり、それから59年も過ぎた1565年?にベンゾーニというイタリア人が著した『新世界の歴史』という本の中で初めて紹介されてます。
  
• 実際の事を言えば、コロンブスはアメリカ大陸を発見した事になっていますが、彼はインド>へ行こうとした末に遭難して偶然アメリカヘ流され、しかも大陸ではなく手前のパナマにたどり着いただけです。
  
• コロンブス自身も死ぬまで自分がたどり着いたのは、インドだと思いこんでいた節があり（その為に現地民の事をインド人＝インディアンと名付けた）、このような伝記に自分が描かれるような偉い発見をしたとは思っていませんでした。
  
• つまりこの「コロンブスの卵」という話は、ベンゾーニが作りだしたウソ話なのです。

• その証拠に、彼が本にこのエピソードを書く15年前に美術評論家のヴァザーリが書いた『画家・彫刻家・建築家列伝』という本の中で、ブルネレスキという建築家の紹介でこのような事を書いている。
  
• 「その建築家はドームの建築に際し、大理石の上に卵を立てることの出来るべきだと主張した。そして彼だけが卵の底を叩いて少し割り、それを立てることに成功し、ドームの工事の権利を得たのだ」と。
  
• つまり、ベンゾーニという伝記作家が、それより15年前に書かれたトンチの利いたエピソードをコロンブスの話としてプラスしてしまったのです。もっともこのブルネレスキのエピソードも作り話だという説もあります。
  

更新履歴 †

• 2001.00.00