[[や]]:野次馬(やじうま)
#counter(today)
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*意味 [#v9069342]
-[[火事]]や[[交通事故]]などがあると見物しようと、無責任に集まってくる人々の事を言う。~
さらに[[ニュース]]の中継車が来ると意味無く、[[カメラ]]に映って[[Vサイン]]などを出し、全国に[[馬鹿]]面をさらけ出す事もある。~
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*語源 [#n9eccbda]
-語源は野生の[[馬]]がまだ自由に野山を疾走していた時代にまでさかのぼる。~
当時、野生馬を捕獲するためには広い野原から行き止まりの谷間に追い込む方法が取られていた。人間に追いつめられた馬達はどこに逃げれば安全なのかが自分では判断できず、ボス馬の走る方向をひたすら追いかけて集団で走った。~
つまり、自分の意志を持たずに、ただボスの走る方向にひたすら走る馬の姿をいった言葉とされている。~
自分の意志を持たずに烏合の衆として群れている姿を「谷地馬」と言っていたのが、しだいに「野次馬」に変化した物だと言われている。~
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-別の説では「オヤジ馬」から来たというのもある。~
馬というのは非常に仔馬をかわいがる。だから仔馬の後ろには必ず親父馬がついて廻っている。この様子から、後ろをゾロゾロついてまわる連中は親父馬、それが「ヤジ馬」に変化したと言う説。~
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-「親父馬」説にはもう一つあって、牡馬は年を取るとまったく使い物にならなくなり、自主性まで失ってしまう。~
そこで若い馬の後ばかりついて回るようになってしまうので、その姿から「ヤジ馬」と言う言葉が生まれた。
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-最近の雑学本などでは、2・3の親父馬説が面白いのと判りやすいのでこちらの説を載せている事が多いが、1の説も昔から言われている。~
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*野次る・野次を飛ばす [#a7c6306a]
-人の言動に非難やからかいの言葉を浴びせたり、味方を応援するために相手の言動を妨害してあざけりはやし立てることを「やじ」といいます。~
実はこの言葉は「野次馬」から派生した言葉なのです。~
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-どうやら、江戸時代にすでに「野次馬」=無責任な人々と言うことから、無責任な言葉を投げかける事を「野次る」と言っていたと言われています。と言っても、使用するのは一部の人だけだったらしいのです。~
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-その言葉をしっかりと文章として明記したのは明治時代の文豪・[[夏目漱石]]で、その文章の中に「野次る」「野次を飛ばす」と言う表現が出てきたのが最初だと言われています。~
文豪のお墨付きを貰った「野次る」と言う言葉はそこから一般的な言葉として使用されるようになったのです。~
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-日本語の乱れを嘆く人は名詞を動詞的に使用する事をもよくない事と指摘したりしますが、明治時代からこのような「動詞」=「名詞」と言う使用法が存在していたのです。~
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-ちなみに夏目漱石が文章に書いて一般化した言葉に「牛耳る」と言うものもありますが、これは漢詩の中からとった言葉で、元は「牛耳を執る」といった風に使われていたものを動詞化した物です。~
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*更新履歴 [#qf6b34ab]
-0000.00.00:知泉
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