[[か]]【かぜとともにさりぬ 風と共に去りぬ】
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*ベストセラーへの道 [#v8b5cc78]
-たぶん[[20世紀>知泉年代記:20世紀]]を代表する[[本]]・[[映画]]というものを選んだ場合、この『風と共に去りぬ』はどちらも、かなり上位に選ばれることは間違いありません。~
この[[小説]]を書いたのはマーガレット・ミッチェル女史で、この作品が唯一の著作となっています。~
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-その為にマーガレット・ミッチェルとは? と言う疑問が出てきてしまうのですが、その本を売り出した時に『アメリカの無名の[[主婦]]が発表のあてもなく書き続けた長編小説で、それが偶然に出版社の人間の目にとまり、その結果ベストセラーになり、[[映画化]]された』と言うことが言われていました。~
そして、そんなアメリカンドリームと言うべき舞台裏話がずっと言われてきたのです。~
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-しかし、この話は作品を伝説化するために考え出された話で、現在1600万部を売られている作品ですが、最初から2万5000部も印刷しています(これは当時の[[数字]]としては異例の大量印刷)~
この小説は[[日本]]で[[文庫本]]になった場合、全5巻にもなっていますが、そんな大長編が偶然目に止まり出版されるのか?と言うと疑問がのこります。
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-実は、この作品が書かれている段階では「発表のあてもなく書かれていた」と言うのは嘘で、さらに無名の主婦と言うの自体が嘘だったのです。~
マーガレット・ミッチェルはたしかに主婦でしたが、もともとアトランタでは有名な女性新聞記者でした。~
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-新聞記者を引退したミッチェルが、[[アメリカ]]南部を舞台にした大長編小説を書いていると言うのは、出版界では有名な話で、どこの出版社から出されるのか?と言うことかが話題になっていたと言うのです。~
そこで、ミッチェルの知人がマクミラン社の編集人を紹介したことから、出版することが決定したのです。~
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-そのベストセラーへの道には裏があって、編集会議でミッチェルが考えていた『タラへの道』というタイトル、ヒロインの名前『パンジー』を変更することを指示。~
さらに、編集人が「こうすればベストセラーになる」と言うマニュアルを元に、物語の全編を手直しすることをミッチェルに指示し、それに沿った形で書き直されたのです。~
そして、さらにベストセラーへの準備として出版前の校正刷りの段階で、映画会社に原稿が持ち込まれ、そこで超大作として映画化をすると言う話を決めたのです。~
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-そんなお膳立てを整えられた状態で出版に至ったのです。~
何度も書き直しをした作品の完成度、そして多くの根回しや映画化の話題などが重なり、大ベストセラーになったという、マーケティングの勝利の作品だったのです。~
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*マーガレット・ミッチェルの豆知泉 [#n812a69e]
-「風と共に去りぬ」のマーガレット・ミッチェルは[[新聞社>新聞]]の就職面接の際に、かつて地方新聞の記者をして大活躍をしていたと[[大嘘>嘘]]をついた。面接に当たった編集者は嘘を見抜いていたが、話術に関心して採用を決定した。~
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-彼女が言った「スプリングフィールドジャーナル社」と言う新聞社は存在していない。そして採用したのは「アトランタ・ジャーナル社」
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-作家マーガレット・ミッチェルは生涯「風と共に去りぬ」しか作品を残さなかったが、その代わり読者からの[[手紙]]に熱心に返事を書いた。~
4年間で約2万通の返事を書いたとされている。~
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-その返事書きに翻弄され、次回作どころではなかったと言われている。
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*更新履歴 [#aaf361df]
-2000.00.00.
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