年寄りの冷水 の変更点


 [[と]]【としよりのひやみず:年寄りの冷水】
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 *隅田川の水? [#s15560e1]
 -お年寄りが「若い者には負けられん!」と無理をして、その結果、ケガをしたり病気になってしまったりすることを、《年寄りの冷水》などと言います。~
 -この言葉を絵で書こうとすると、きっとお年寄りが冷水を我慢しながら浴びている処なんかを書いてしまいそうですが、実はここで言われる[[水]]と言うのは《隅田川の水》を指しています。~
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 -江戸時代に話は戻りますが、実は[[江戸]]という町は[[海]]に近く、その住んでいるところの多くがかつては沼地だったり、埋め立て地だったりして、井戸を掘ったとしてもそのほとんどが塩水で、飲料には適さずに、慢性的に水には不便していました。~
 そこで登場したのが、水売りと言う商売だったりするのですが、そう考えると[[ミネラルウォーター]]なんかが発売され始めた当初「わざわざ水を買って飲むなんて」と言われていたのより、ずっとずっと前から日本人は水を買って飲んでいたのが解ります。~
 江戸時代、「冷や水やぁ、冷や水やぁ〜」というかけ声と共に、杉の葉を桶に建てた水売りが町を売り歩いていました。~
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 -この時代、江戸の真ん中を流れる[[隅田川]]は生活排水などが流れ込む川として、飲料とするのはあまり適していませんでした。~
 ところがこの水売りの中には隅田川の水を「そんな隅田川でも真ん中の水はきれいで飲むことができるぜ」と、他の水より安値([[どんぶり>丼]]1杯・1文)で売っていたモノもいたのです。~
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 -しかし、キレイに見えても実際の処は多くの雑菌が混じっている水で、体調を崩す人も少なくなく、結局、体力自慢の若者ぐらいしか飲まないような水になっていたのです。~
 そんな隅田川の水をお年寄りが「こんなもの飲んだって、ワシャ平気だぞ」と無理して飲んだりすることを《年寄りの冷や水》と呼ぶようになったのです。
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 -江戸時代に書かれた[[川柳]]には《冷水を飲んで[[息子]]に叱られる》と言うものもあります。~
 
 
 *更新履歴 [#ja39117a]
 -2001.06.12
 
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