辛子菜 の変更点


 [[か]]【からしな:辛子菜】
 #counter(today)
 
 *分類 [#k381184a]
 -学 名:BRASSICA JUNCE~
 分 類:アブラナ科アブラナ属~
 別 名:高菜・千筋葉芥・大心菜・搾菜~
 外国名:英語:LEAF MUSTARD / CHINESE MUSTARD~
 
 *原産地 [#z18b0885]
 -クロガラシとアブラナが自然交雑によって誕生した植物で、両種が混在している中東方面が原産地と見られている。~
 中央アジア説も有力視されていて、実際には確定はしていない。
 
 *歴史 [#z9082bf1]
 -[[インド]]・西アジア・北アフリカには「油料・香辛料(黄ガラシ・マスタード)の原料として伝えられた~
 東アジア・[[中国]]には[[野菜]]として伝えられた。~
 
 *渡来 [#l524f98f]
 -日本へは9〜10世紀ころの文献に「多加菜」「加良之」などの記載があるが、これがカラシナを意味している。~
 この時代に、中国から伝えられた物と思われる。~
 中国経由で入ってきたので、当然「野菜」と言う形で入ってきた~
 多肉性タカナは明治中後期に伝わり、[[第二次世界大戦後]]の[[中国野菜]]ブームではコブ高菜・結球高菜などが入ってきた。
 
 *知識【辛子菜 or 高菜】 [#safc0eb7]
 -関東では「カラシナ」と呼び、関西では「タカナ」と呼ぶ事も多い。~
 野菜の分類上では、小型〜中型のものをカラシナ類と総称し、中型〜大型のものをカタナ類と総称する。
 
 *知識【中華料理】 [#j2734707]
 -茎用タカナは中華料理の[[ザーサイ]]に使用される。
 
 *知識【品種】 [#p9fa940d]
 -カラシナには多くの種類があり、肥大した茎を漬け物にする「ザーサイ」は漬け物として輸入されているが、根が太る「大頭菜/ダイトウサイ」はまだ入ってきていない。~
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 カラシナは辛み成分のシニグリンを多く含み独特の辛みがある。種子はからし粉に、茎、葉は漬け物・煮物・おひたしなどにする。~
 カラシナの種子は休眠性をもち、野生化しやすい。その為、第二次世界大戦後は草刈りをあまりしなくなった河川の堤防などにカラシナの自生しているところが多くなった。東京都内でも鉄道の沿線や、お堀端などに春先は黄色い花を咲かせている。
 
 *知識【葉芥子菜】 [#x5c193f5]
 -カラシナの中でもっとも原型に近い種類と考えられている。根葉には深い切れ込みがあり、濃緑色または帯紫緑色で、毛のある物が多い。~
 春先に花茎を出し、1メートル以上になりアブラナよりやや小型の黄色い4弁花をつける。~
 辛み成分のシニグリンを含み、種子を粉末にして香辛料や薬用にする場合は種子が黄色い黄カラシナを用いる。黄カラシナの若い花弁は食用にもされる。~
 九州で栽培している「山潮菜/ヤマシオナ」など、多くの食用の葉カラシナには、褐色種子の品種が多い。
 
 *高菜郡 [#l0ac1433]
 -高菜とは中国の華南で成立したとされるカラシナの種類で、一般的には株は大型になり、葉の輪郭は滑らかな物が多い(例外的にダイコン葉状のものもある)~
 緑色のものは青高菜、色素のアントシアニンの作用によって紫赤色になるものは紫高菜と呼ばれ区別される。~
 全国各地に在来の高菜があり、それぞれの地で独自に栽培されてきた。~
 東北地方「芭蕉菜」[[山形県]]「大葉高菜」「葉切高菜」「根切高菜」[[福岡県]]「カツオ菜」~
 
 *中国野菜のカラシナ [#b8038463]
 -カラシナは紀元前から中国で栽培され、その後多くの品種が生み出されてきた。~
 しかし日本に渡来した品種の数は少ない。第二次世界大戦の前後に「コブ高菜」「結球高菜」などが導入された。~
 また「雪裡紅/セリホン」は[[1939(昭和14)年>1939年]]に導入をしたが、まだ普及はしていない。~
 「ザーサイ」は中国料理の普及により、その漬け物は広く知られたが、植物自体の栽培が難しく、日本では普及していない。~
 「大頭菜/ダイトウサイ」と言う根カラシナは中国では重要な冬の根菜だが、日本ではまだその名前もあまり知られていない。~
 なお中国南部で近年栽培が増加している「抱児菜」は[[芽キャベツ]]の茎カラシナで、そのうち日本にも到来するものと思われる。~
 
 *コブ高菜 [#f706e1d3]
 -第二次世界大戦中に、中国から導入され、雲仙コブ高菜と名付けて栽培が始められたが普及せずに、戦後ふたたび中国野菜ブームの中の一つとして導入された。~
 中国では華南地方での栽培が多い。~
 半結球性で、葉は広い楕円形で中央脈が幅広く、その中程が膨らみ牛の角のように突き出る。~
 そのコブの部分は軟らかく、漬け物・炒め物として品質がよく重宝がられている。~
 
 *三池高菜 [#n1d5ebdd]
 -明治30年ころ中国の青菜が日本に導入された後、[[佐賀県]]で在来の紫高菜と交雑して生まれた高菜。~
 [[福岡県]]の三池地方で栽培を開始した。三池は「月が出た出た〜」と言う炭坑節で有名な「三池炭坑」があった場所。~
 本種の葉は中筋の幅が広く肉厚で、紫色を帯び、発育旺盛で寒さに強く、とう立ちが遅く収穫量が多い。そして漬け物加工に適している。~
 高菜は野沢菜・広島菜と並んで三大漬菜といわれているが、三池高菜はその高菜の代表格になっている。~
 しかし、一時期に比べるとその収穫量は少なくなっている。~
 
 *セリホン [#t3c9bb90]
 -結球高菜:雪裡紅/セリホン~
 近年の中国料理ブームで導入された品種。~
 生育が進むと、芯葉がソフトボール大に結球する。~
 漬け物や煮物に適している。~
 
 *カラシナの花 [#s7ccc1e2]
 -「薔薇は薔薇であり薔薇である」はガートルード・スタインの言葉です。~
 でも、カラシナ(辛子菜)の花はカラシナの花ではないこともあるのです。~
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 -これは「擬花」と呼ばれるにせものの花で、ある病害性バクテリアのために起きるのです。でも、カラシナの花でないとしたら、いったいこれは何でしょう?~
 にせもののカラシナの花は、サビ病菌と呼ばれる、植物界における最高の腕前のいかさま師の巧みないたずらの結果です。~
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 -カラシナ、学名Arabis holboelliがこのサビ病菌に侵されると、にせものの美しい黄色の「花」が開きます。~
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 -ほんもののカラシナのあまり目立たない地味な青色の花よりもずっと華やかで、香りも豊かで花蜜もきちんと分泌するのです。~
 このにせものの花は、実は黄色の葉の集合体で、ちょうど牧場で良くみられるバターカップ([[キンポウゲ]])とそっくりな外見をしています。植物学者も昆虫も同じようにだまされるのです。~
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 -この葉が黄色になるのは、サビ病菌の雌雄の生殖器官(どちらも濃い黄色)が表面をぎっしりと覆っているからなのです。~
 [[ハエ>蠅]]や[[ハチ>蜂]]、[[チョウ>ちょうちょ]]の類までも本当の花と間違えてやってきて、蜜を吸い、長い時間をこの周りで過ごします。これらの昆虫は、病気にかかったカラシナの花粉の代わりに、サビ病菌の配偶子を散布してしまうです。~
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 -このようなサビ病菌は約5000種類も知られていますが、そのほとんどはある特定の植物にのみ感染します。~
 いまのカラシナに感染するのは《Puccinia monoica》か《Puccinia thlaspeos》のどちらかです。~
 
 *更新履歴 [#r64ef986]
 -1999.00.00
 
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