[[な]]【ななくさ:七草】
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*1月7日:人日の節句 [#zf54847f]
-日本古来よりある《七草粥:ななくさがゆ》を食べる風習は、『人日の節句/じんじつのせっく』と呼ばれていた[[正月]]七日に、心を正し、身を清め、邪気を完全に払い新しい年を始めるための行事とされていました。~
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-中国で陰陽道の影響で昔から奇数はおめでたい数字、陽数とされていました。~
そのために1月7日(人日:じんじつ)、3月3日(上巳:じょうし)、5月5日(端午:たんご)、7月7日(七夕:しちせき)、9月9日(重陽:ちょうよう)を年中行事を行う式日と考えていました。~
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-この7日が人日(じんじつ)と呼ばれるのは中国の古代占術書で、1月1日がトリの日とされ、そこから順に犬→豚→羊→牛→馬の日となっていて、7日目が人の日、8日が穀物の日と考えられていたのです。
*七草粥のルーツ [#zacfbcec]
-この七草粥のルーツは諸説あるのですが、農業の豊作をお祈りするための「七草たたき」と言うものだとする説もあります。~
-正月七日の夜に、[[台所]]の[[まな板]]の上に調理の七つ道具(杓子・菜箸・火箸・すりこぎ・卸し金・割薪・火吹き竹)を並べて、そのまな板を七回叩いたあとで菜っぱを細かく刻むと言う行事でした。~
-とにかく、七草と言うのは新年を迎えて「今年一年、健康で、食に困らず、過ごせますように」とお祈りする農事神信仰の一種から始まったものと考えられています。~
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-平安時代の文献に登場する『粥』は、現在のものとはかなり違う物でした。~
七種類で粥と言うのは同じなのですが、そこに登場するのは~
[[[米:こめ>米]]][粟:あわ][黍:きび][稗:ひえ][簑:みの][胡麻:ごま>胡麻][[[小豆:あずき>小豆]]]~
と言う、穀物を中心にしたお粥だったのです。~
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-これが時代を経て、[[鎌倉時代]]になった頃に現代のような米で作った[[お粥]]に七種類の野草を入れて食べると言う物に変わってきたようです。~
[芹:せり][薺:なずな][御形:ごぎょう][繁縷:はこべら][仏座:ほとけのざ][菘:すずな][清白:すずしろ]~
*七草とは [#lea852e8]
-[[芹:せり>芹]]/セリ科~
芹というのは一年中収穫することが出来る野草だが、旬は冬から春にかけての時期。~
その生命力は強く、一カ所で競り競いながら生えているので「競り:せり」と名付けられた。~
別名[根白草]~
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-[[薺:なずな]]/アブラナ科~
江戸時代には「撫で菜:なでな」と呼ばれていた事もある。食用として大変美味であるが、止血剤として使われる薬草でもある。~
しかし、一般的にこの植物の名前は「ぺんぺん草」と言う方が有名かも知れない。~
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-[[御形:ごぎょう]]/キク科~
花が球のような形になっており、まるで子供が母親にまとわりついていつようにも見えるので、別名「母子草:ははこぐさ」とも呼ばれる。~
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-[[繁縷:はこべら]]/ナデシコ科~
現在は「はこべ」と呼ぶ方が一般的な植物。~
江戸時代などは、母乳の出がよくなると言われ(科学的根拠なし)、授乳中の母親などが食べた。~
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-[[仏座:ほとけのざ]]/キク科~
丸い葉っぱが、仏様の座る処のように見えるのでこの名前で呼ばれています。~
別名では[田平子:たびらこ][かわらけ菜]などと呼ばれています。~
シソ科にも同名のホトケノザがありますが、まったく別のものです。~
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-[[菘:すずな>>蕪]]/アブラナ科~
実は「蕪:かぶ」のことで、蕪の古い呼び名。~
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-[[清白:すずしろ>大根]]/アブラナ科~
これも実は「大根:だいこん」の別名です。漢字表記は[鈴白]の場合もあります。~
*秋の七草 [#s32a4749]
-春の七草は、基本的に野菜が不足する時期に・・・という色合いが濃いのだが、秋の七草は逆に実りの季節と言うことで華やかなラインナップになっている。~
「萩・薄・葛・女郎花・藤袴・桔梗・撫子」~
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-春の七草に便乗して最近考えられたのでは?などと思ってしまうが、これも歴史は古い。~
万葉集の中で、山上憶良が《秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花》と秋の七草を詠んでいる。~
ちなみに「尾花」はススキ、「朝貌」はアサガオではなく、キキョウの事。 ~
*更新履歴 [#ja389260]
-2001.07.18