コペルニクス の変更点


 [[こ]]【コペルニクス】~
 [[ち]]【ちどうせつ:地動説】
 #counter(today)
 
 *コペルニクス的展開 [#vf0fc2b7]
 -コペルニクスと言う名前は《地動説》と言うことばとセットで覚えている人も多いと思います。それまでは神の造った大地は固定された動かしがたい物で、[[空]]の太陽や[[星]]がぐるぐると回っているという考えだったのを「実は地面が回っているのだ!」と言うことを証明した16世紀の天文学者と言うことで。~
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 -さらに《コペルニクス的転回》と言うと、それまでの価値観をがらりとひっくり返すような発想の転換を指していたりします。~
 多くの人の記憶にその様なインプットがされていると思いますが、実はその記憶は間違いです。~
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 -まず、コペルニクスと言う人物はそもそも天文学者ではなく、司教座聖堂参事会員と言う、キリスト教会の運営に関する仕事をしていた人物で、その傍らで[[数学]]・哲学、そして天文学を勉強の一つとして研究していたのです。~
 
 
 *天動説・地動説 [#n7b06534]
 -16世紀、[[ヨーロッパ]]では[[聖書]]に書かれたことは絶対で、天体の運行すら《[[神]]》の意志に基づいているとして、まだ太陽も月も星も、大地を中心として回っていると考えられていました。(この時代は当然、まだ[[地球]]と言う意識はありませんでした)~
 これを《天動説》と言い、古代ギリシアの天文学者であるプトレマイオスが唱えてから延々と信じられてきたものです。~
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 -コペルニクスはこの説を信じながらも「もっと別の、美しい解釈の仕方があるに違いない」と考えていました。いわゆるコペルニクスと言う人は、[[数学]]などでも同じ答えを導き出すにしても、すっきりとした計算式で解きたいと考えるような[美意識優先]の人だったのです。~
 そんな事を考えながら、色々な文献を読みあさっている中で、紀元前3世紀ギリシアの哲学者サモスの『アリスタルコスの理論』の中で書かれている「世界の中心は太陽である」と言う文章に出会ってしまったのです。~
 コペルニクスはその表現に美を感じてしまったのです。~
 
 
 *美意識の中の理論 [#aa9bf67c]
 -そして、その「世界の中心は太陽である」と言う言葉を数学的に哲学的に展開させて、いつしか《天体の回転について》と言う膨大な論文を書き上げるほどになっていったのです。(出版は1543年)~
 つまり《地動説》はコペルニクスのオリジナル理論では無かったのです。~
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 -さらにこの論文の論点は最終的には「地球が動いている」と言うことでは正しかったのですが、学術的に見るとまったくの非科学的な物で、観測も実験もいっさい行わず事実への検証としてのデータもまったく提示していないで、「世界の中心は太陽である」と言うことを、哲学的な言葉でひねくり回しただけの物だったのです。~
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 -結果として《地動説》と言う事実を導き出してしまったコペルニクスなのですが、彼にとってそんな事はどうでも良く、あくまでも「美しい理論」と言うものを導き出せただけで満足だったのです。~
 [→地動説の話は[[ガリレオ]]の項へ続く]
 
 *更新履歴 [#qa9010ae]
 
 -2001.06.10
 
 *コペルニクス的豆知泉 [#k7496ec9]
 -コペルニクスの書いた科学史的に貴重な本は最初全然話題にならず、1543年に初版が発行されたが、第2版は23年後の1566年、第3版は第2版から51年後の1617年。
 
 
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