[[や]]【やばい】
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*語源 [#y8736e29]
-近年ではかなり一般化した言葉で、なにげなく女性も使ったりする言葉ですが、20年ほど前には一般の人が使うにはちょっと品性に欠ける言葉でした。~
時代劇などで、悪巧みをするチンピラなどが慌てて逃げる際に「ヤバい逃げろ!」などと言う言葉だったわけです。~
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-この「ヤバイ」は元々、テキ屋、盗賊、ヤクザなどが使用していた言葉ですが、一番最初は泥棒用語でした。~
泥棒が夜中に地面に這いつくばりながら忍び込んだりする事を「夜這:よはい」と言っていたのですが、その言葉が徐々に変化し「やはい」を経由して「やばい」になった物と言われています。~
知泉No.176/2000.03.30
*語源:反論 [#maaac460]
-雑学家が語源を尋ねるとき、まず語源俗解に注意しないといけません。~
いかにもそのように思えるけれど、なんの根拠もなく、いかにもありそうな説が語源俗解。~
「やばい」の語源についての「夜這」説が、語源俗解の好例ですね。~
その他に、ぼくが見た語源俗解の傑作は以下のようなものです。
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-また、日本人は、困難に直面したとき思わず「やばい」とか「やベー」と、嘆きます。~
欧米人は《oh my god!》と、神の名前GODを嘆くのですが、日本人はYHWH(やべー)と、神の名YHWHを唱えて嘆くのです。~
そして、このやばいとか、やべーという言葉は普通の状況では使われません。危急の時に唱える言葉です。~
つまり、神の名をYHWHを、みだりに呼ぶなという決まりを日本人は、知らずの内に、習慣の中に堅持しているのです。~
そして、自分が最大級の危機に直面したとき、思わず、心に閉じ込められた神の名前を叫ぶのです。「やべー」と、
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-田井信之氏の『日本語の語源』(角川書店、78/10)によれば、やばいの語源は「たいそう危険である」の「イヤアブナイ」(彌危ない)だとしています。~
早口で言ってみれば(そういう状態の時は、自然に早口になるものですが)イは聞こえなくなり、「ヤアブ」は「ヤバ」になります。~
そこで「ヤバ」という隠語が出来、そこから「やばい」になった。~
――これで、完ぺきなまでに説明がつくと思います。~
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-館あきらさんより投稿:知泉No.176/2000.03.30掲載
*その後の調査 [#l9ff910f]
-この『彌危ない:イヤアブナイ』説が語源として確定した物ではないらしく、語源に関する書物には別の説が記載されている物もある。~
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-60年代の不良言葉の中に「危ない」と言う意味で『あやぶい』と言う言葉があり、それから「あ」が省略され、次第に「やばい」と言う言葉になったと言うものもある。~
1970年代に発行された「広辞苑」「現代用語の基礎知識」などの中では《不都合・危険》
と言う意味として使用すると説明があります。~
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-その後、80年代に「センスが悪くてみんなに[[馬鹿]]にされる格好悪さ」的な意味でヤバイが使用されるようになったのです。~
それが転化して、90年代に入ると「常識的な尺度を超えるぐらいに格好いい、凄い」と言う意味で「ヤバイ」が使われるようになりました。~
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-これは英語での「バッド」などの用例と酷似しています。~
*更新履歴 [#u735a0e9]
-2001.01.15記載