[[へ]]【へそくり:臍繰り】
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*語源 [#f286a9c4]
-普通の[[貯金]]とは違って、こっそりと貯めるお金のことを「へそくり」と言いますが、この言葉は[[江戸時代]]の中期には一般的な言葉になっていたらしく、かの[[井原西鶴]]の作品にも出てきます。~
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-しかし何故、この貯金のことを「へそくり」と言うのでしょうか?~
-[[漢字]]で書くと『臍繰り』となって、[[ヘソ>へそ]]の奥から繰り出してくるお金ということで、結局「懐の奥のほうに隠し持った金」という意味になるのです。~
-こう書くと単純に考えて、胴巻きにお金を入れて持ち歩いた為にそこから出してくるお金ということになると思われますが、それ以外の説もあります。~
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-サトイモ科の[[雑草]]にカラスビシャクというものがあり、その根茎の呼び名から来たという説です。~
-この根っこの部分は他の作物にとっては害になる物なのですが、[[漢方薬]]としては『半夏:はんげ』と呼ばれる大切な薬となるために、農家の人々がヒマを見つけてはこの根っこを掘り起こして薬屋に売りに行き、小銭を稼いでいたと言うのです。~
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-で、何故「へそくり」なのかと言うと、このカラスビシャクの根っこの部分は栗の実ににた形をして、さらにヘソのようなくぼみがあるために「ヘソ栗」と呼ばれていたのです。~
-その為に、少しづつお金を稼いで貯めていくことを「ヘソ栗」というようになったと言う説もあります。~
*綜麻繰り [#v1589c9c]
-別の説で「ヘソ」は「[[臍>へそ]]」ではなく、布などを紡ぐときに使う麻糸などを機械にかける前の糸巻きで巻いた状態の「綜麻(へそ)」から来ているという物があります。~
昔、貧しい農家などではおかみさんなどが、綜麻でせっせと糸を紡いで細かいお金を稼いだ事を指して言い出した言葉だという説です。~
(→[[へそ曲がり]])
*更新履歴 [#n7022535]
-2000.07.24