[[お]]【おひがん:お彼岸】
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*仏教行事であって仏教行事でない? [#f1d1fd91]
-お彼岸と言うのは、3月の春分の日、9月の秋分の日を中心にして、それぞれ7日間行われる仏教の行事です。~
しかし、この行事は仏教本来の行事ではなく、日本で独自に誕生したものです。~
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-このお彼岸と言うのは実際のことを言えば、仏教的な意味合いより農業に関係あるもので、1年の始まり(3月ですが実際の旧暦では4月の田植えの準備が始まる頃)と、収穫が終わった頃(9月ですが実際の旧暦では10月の刈り入れが終わった頃)に、先祖にお祈りとお礼をささげると言う、日本という四季がはっきりした場所で行われる農耕文化の結実した物なのです。~
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-春分の日と秋分の日は「国民の祝日に関する法律」の中で「先祖をうやまい、亡き人をしのぶ日」とされています。お墓参りや先祖供養をする日なのです。~
*河の流れに・・・ [#n0b66103]
-この「彼岸」と言う言葉はかみ砕いて言うと「向こう側の岸辺」となります。~
これは仏教で言うところの、死の国へ行くための河(さんずの河とも、迷いの河ともいわれています)が間に流れているわけで、その河を渡ることによって彼岸にたどり着き、そこにあるとされる浄土に至るのです。~
で、向こう側が「彼岸」と言うことで、こちら側のことを『此岸:しがん』と言います。~
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-しかし死んだ人間がすべてこの河を渡れるかというと、そんなに簡単ではなく、『六波羅:ろっぱら』とよばれる六つの修行をこなした後にやっと許可が出るのです。~
その修行と言うのが《布施:ふせ》《持戒:じかい》《忍褥:にんにく》《精進:しょうじん》《禅定:ぜんじょう》《智恵:ちえ》と呼ばれます。~
*向こう側では [#tda21102]
-現世である「此岸」から河を超え「彼岸」に到達する事により、人間の魂はより神様に近づき、以下のように変化していきます。~
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-『迷い』──────→『悟り』~
『生死:しょうじ』─→『涅槃:ねはん』~
『娑婆:しゃば』──→『浄土:じょうど』~
*更新履歴 [#se1e5505]
-1999.09.21