湯布院 のバックアップソース(No.2)

[[ゆ]]【ゆふいん:湯布院/由布院】
#counter(today)
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-大分県湯布院町サイト:[[http://www.town.yufuin.oita.jp/>http://www.town.yufuin.oita.jp/]]

*湯布院と由布院の謎 [#vb4617a1]
-全国的に知られている[[大分県]]の観光地「ゆふいん」ですが、これを[[漢字]]で表記すると「湯布院」または「由布院」となります。~
人々が抱く「由布院」か「湯布院」かという疑問はごく自然なことですが,実はこの呼称の背後には,決して小さく名はない物語・問題が潜んでいるのです。

 どちらが正しい表記か?と言うと、「湯布院町」という呼び名は,由布院,湯平を含めた旧町名(2005年の町村合併により湯布院町という行政単位はなくなりました)として使用され場合に限って正しいのです。由布院や由布院温泉に「湯布院」という呼称を用いるのは明らかな間違いです。
「「湯布院」も「由布院」どちらも間違いではない」という説明がなされることがありますが,由布院を表すのに「湯布院」を用いるのは明らかな誤りです。

 実際にはこの紛らわしさが様々な誤解を生み,旧湯布院町内における地域格差を生んできたことも事実といえましょう。~

 さらに最近では,「由布院」を表すのに「ゆふいん」というひらがなによる表記が多くなされるようになったことが,「由布院」なのか「湯布院」なのか?という混同・混乱に拍車をかけています。

 「由布院」と言う表記は旧湯布院町内の「由布院」の駅名や「由布院温泉」の温泉名として使われているものです。~
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-元を糺せば,「湯布院町」は元々は1955年に「由布院」が、隣接する旧「湯平村」と合併した際に、「湯平」の「湯」の字をとって「湯布院」となってからの町名,行政単位名です。~
 ですから、駅名、その他で使用されている「由布院」は旧町名「湯布院」の中の湯平を含まない,由布院のみを指すべきなのです。

 しかし問題は,実際には「湯布院」が「由布院」と「湯平」を含めた(旧)湯布院町全体を意味する言葉ではなく,事実上,由布院温泉と由布盆地対して用いられてきたという事実です。

 実際,観光パンフレットなどには,「湯布院温泉」という,実在しない温泉名が登場しています。旧湯布院町内に実際に存在するのは,「由布院温泉」,「湯平温泉」,「塚原温泉」という泉質も温泉場の雰囲気も歴史も異なる別々の温泉です。

 この「湯布院」=由布院という混同は,不幸なことに,湯平温泉や塚原温泉が,まるで由布院の一部であるかのごとき誤解を世間に招いてしまったところにあります。

 

*「由布院」はかつては有名な温泉地ではなかった? [#nf563991]
-この場所は[[1952(昭和27)年]>1952年]まで現在のような有名な[[温泉地>温泉]]ではありませんでした。~
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 全国的には,かつての由布院は地形の辺鄙な[[山]]の中にある盆地と言う認識しかなく、高度経済成長にあった日本では電力確保のため、この地大規模なダム建設の計画が進んでいました。~
 つまりかつて由布院はダムに水没する危機にあったのです。~
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-しかし、こんな素晴らしい場所をダムにするな!と地元の人々が立ち上がり、その結果、温泉地として現在のような隆盛を極めるに至りました。~

 一方で,隣接する湯平温泉は,由布院盆地からもはずれた山間の小さな温泉場でありながら,かつては別府について九州第2位の観光客を誇ったこともある温泉場でした。現在でも,温泉番付の「療養型温泉」部門では「横綱」にランクされています。

 その窮地にあった由布院を救ったきっかけが,1955年の旧湯平村との合併でした。つい先頃(2005年)の合併では,由布院から合併反対運動がまきおこりましたが,当時も湯平の住民から由布院との合併については反対の声がありました。しかし,その時も合併は強行されました。

 由布院にとっては,合併に伴う町名の変化,つまり湯平の「湯」の字をとった,「湯布院」という町名が,結果として温泉地としてのイメージの向上に貢献したといえるでしょう。

 その後,ダム建設反対の運動と由布院地区の町おこしの運動が実り,現在のように由布院は「湯布院」の名で,一種の「ブランド」となり年間観光客300万人を超える観光地となりました。

 その陰で,湯平温泉は合併前には50件あまりもあった旅館が,2006年現在では26件に減少し,湯平中学校も,湯平農協も湯布院に統合されていきました。

 こうして「湯布院」という地名,ブランド名の広がりとともに,温泉地,観光地としての由布院と湯平の地位は完全に逆転してしまったのです。

 しかし,皮肉なことに「湯布院」「由布院」の陰に隠されていたからこそ,湯平温泉は昭和30年代の古い温泉街の情緒が今に残されているともいえます。一方で,由布院の方は,ブランド化と観光地としての隆盛のため,かつての「田舎の盆地」としての静けさが失われてしまっているのではないかという批判もあります。

*更新履歴 [#a618cf43]
-1999.00.00

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