電子レンジ のバックアップソース(No.2)

[[て]]【でんしれんじ:電子レンジ】
#counter(today)

*軍事的研究の副産物 [#v0da90e7]
-多くの発明が戦争の副産物だと言われていて「[[戦争]]があるからこそ文明は発達するのだ」などと説く人もいます。~
確かに[[インターネット]]なども、戦時にも分断されることのない通信網を、と言うことから考え出された物です。~
電子レンジと言うものも、結局は軍事的な研究の副産物として登場して来た物です。~
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-第二次世界大戦末期1945年の[[アメリカ]]で、軍事用レーダーの開発をしている最中、マイクロ波の実験の最中に電子レンジの原理が発見されたのです。~
それに気が付いたのは偶然の出来事で、アメリカの軍需会社レーセオン社に勤務し、レーダーの開発に携わっていたスペンサー氏がマイクロ波の実験中、ポケットに入れていた[[チョコレート]]キャンディが溶けていることに気づき、スペンサー博士がその理由を調べた結果、マグネトロン(マイクロ波発生装置)から出たマイクロ波がチョコレートを溶かしたのだと言うことが判ったのです。~
さらに実験として、マイクロ波の前にポップコーン用のコーンをおいた処、ポップコーンが出来上がった。さらに生卵をおいてみた処、大爆発をしてしまった。~
この実験で、マイクロ波が物体中の水分に反応し、熱を発生させる仕組みが発見される事となり、戦後に調理器具向けに研究開発が進められた結果、電子レンジが誕生した。

*日本で [#a0cabcc7]
-日本初上陸は1962年で、量産品で業務用電子レンジが発売されたが52万円もした。(大卒初任給1万7千円の時代、現在なら約500万円程度)~
簡単に食品を暖められるという事から、国鉄は電子レンジを草創期から積極的に導入し、1962年10月から東海道線の急行電車のビュフェに設置。~
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-1966年、日本で世界初の「ターンテーブル方式」が採用された家庭用電子レンジが19万8千円で発売。~
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-1969年、電子レンジが10万円を切り、働く女性の増加とともに電子レンジの普及していった。~
1987年には50%を突破し、現在ではほぼ100%となっている。

*利点・難点 [#n23c3c01]
-電子レンジは中にあるマグネトロンが電波を放出します。それを吸収した食品の中に含まれている水分が激しく振動をして、[[水]]の分子がぶつかり合うことによって摩擦熱を発生させて、加熱されると言う仕組みなのです。~
-基本的に振動するのは水分だけなので、陶器や[[プラスチック]]など、水分の含まれていない容器などはまったく熱くなることがなく(暖められた食品の熱で熱くなることはある)、純粋に食品のみを暖める事が出来るので、エネルギー効率もよく短時間で暖めることが出来るのです。~
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-しかし難点がないワケではなく、電子レンジは[[空気]]を暖めるわけではないのでオーブンのように均一に暖める事が出来ず、マイクロ波が当たった部分しか暖めないのです。~
つまり、その事を解消する為に電子レンジの中にはターンテーブルがあって、ぐるぐる回り続けているのです。(その後、回転しないで均一に暖められる製品も出来ました)~

*要注意 [#ac9355c7]
-電子レンジのマイクロ波は基本的には人体に悪影響を与える有害電波なので、電子レンジはそれが外部に漏れないようにきっちりと扉が閉まらないと動作しないように設計されている。~

*チンする [#q2d221bd]
-電子レンジで暖めると言う事を誰が言いだしたのか「チンする」と言う。~
かなり変な言葉なのだが、自然発生的にこの言葉が日本全国で使われるようになった。この言葉は当然の事ながら、タイマーは終了した時に完了合図の「チンッ」と言う音から来ている。~
最近は「チンッ」以外の音(たとえばピーッ)がする機種もあるが、すでに定着してしまった為にこの先もこの言葉が使われると思う。~
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-この先、もしかしたら電子レンジ調理終了時に「チンッ」と鳴る機種が少数になり、消滅した頃『なんで電子レンジで調理することを「チンする」って言うんですか?』と未来はこれ自体が雑学になるかもしれません。~
-以前東芝が自社製品の名前を広めようとCMなどで電子レンジで調理することを「エレックする」と呼んでいたのが、見事に定着しなかった。

*知識 [#k6a2d2e7]
-電子レンジが出しているのは2450メガヘルツと言う強力な電波で、この電波は商品の中に含まれている水の分子を、毎秒24億5000回も回転させるのだが、この震動で水の分子動詞がこすれあって、摩擦熱が発生して食品が暖まるという仕組みになっている。~
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-つまり逆に言うと、水分を含んでいない陶器などは電子レンジに入れても加熱される事はない。ときどき、熱くなって容器が持てない場合もあるが、あれは容器そのものの熱ではなく、温められた食品の熱が伝わったものです。

*更新履歴 [#z576ac7f]
-2000.02.04.知泉No.128
-2001.05.07
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