焼餅 のバックアップ(No.1)
や?:焼餅(やきもち)
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意味 †
- 焼き餅と言うのは本当は言葉通りに餅を焼いたものを差すのだが、多くの場合は他人に対する嫉妬を意味する場合に使われている。
蜀山人が書いた『仮名世説』の中には「自慢も味噌といい、りんきも焼餅と下卑て」と書かれている。
- ここで言う「味噌」というのは現代でも「手前味噌」の意味で使われている自慢のことで、《悋気:りんき》とは他人のことを妬んだりする気持ちのことを言います。
「手前味噌」の言葉が使われるようになったのは安永時代らしく、焼餅の場合はもう少し古くから言われていた言葉とされています。
語源 †
- 著者不明の『続飛鳥川』と言う随筆集には、寛延・宝暦ころに流行った曲に「しょんがえ節」と言うものが書かれていて、その中で「わしはこの町の おやき餅 焼き餅 しょんがえ」と歌われている。どうやらこの歌から嫉妬を「焼き餅」と言うようになったらしいのです。
古くから「嫉妬」することを「やく」(心を乱す・じれるの意味らしい)と言っていた事から、ふざけた形で言い出したとされています。
- つまり、江戸時代の流行歌の中から誕生した言葉なので、最近、言葉の乱れが指摘されていますが、どの時代も流行している言葉が新たに日本語として定着するのは仕方がないことなのかも知れません。
更新履歴 †
- 2000.05.29:知泉No.216