種痘 のバックアップ(No.1)
し【しゅとう:種痘】
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ジェンナー以前の天然痘予防法 †
- イギリスの医者で、ロンドンのJ.ハンター(1728〜93)に師事し、のちに故郷で開業する。
ジェンナーが誕生したのは、産業革命進行中の経済が右肩上がりだった時代です。
- 当時、ヨーロッパでは恐ろしい病気の一つとして天然痘が人々を苦しめていました。
発症すると、高熱に引き続いて、全身に化膿性の発疹ができるため、運良く治った人もあばた面になりました。
実は、民間療法として症状の軽い天然痘患者の膿疱(のうほう)から採取した膿汁を健康な人に接種して予防するという方法がとられていました。
と言うのも、一度天然痘にかかった人間は二度とこの病気にならない事は解っていたために、接種することによって擬似的に一度天然痘にさせてしまうのが目的だったのです。
- しかし、この療法は安全確実な予防方法ではなく。逆に天然痘に感染・発病して、死亡する人も多かったそうです。
実はこのやり方は、既に古代中国で行われていたもので、いつしかヨーロッパにも伝わった物だったそうです。
5月14日 種痘記念日 †
- ある時、ジェンナーは、乳絞りの女性から牛痘にかかると天然痘にはかからないことを聞いて研究を開始しました。
そこで、牛痘にかかった乳絞りの女性サラ・ネルムズの手の水疱からとった膿を、近所に住んでいた8歳の男児フィップスの腕に接種しました。
- なぜか少年少女向けの伝記などでは「自分の子供を実験台に使って」と美談的に描かれる事が多いのですが、この実験をしたとき、ジェンナーはまだ未婚で子供がいませんでした。
- 1796(寛政8)年.05月14日、イギリスの外科医ジェンナーがはじめて種痘の接種を行い、同年07月01日に成功を確認しました。
- 10日後に発症しましたがすぐに治癒し、その後天然痘を接種しても感染しませんでした。
- この実験は1798年論文を発表したのですが、当初学会では反論者が多くすぐには認められませんでした。
しかしジェンナーは貧しい人たちに無料で種痘の接種を行ない、しだいに認められました。
- 日本では以前は。生後36〜72ヶ月の間の幼児に予防接種を1度する事が義務づけられていましたが、接種事故もあることから現在は中止されています。
- 天然痘による死亡者は劇的に減少し、1979(昭和54)年?10月末に世界保健機構(WHO)によって根絶が確認され、翌年1980年に「天然痘根絶宣言」が出されました。
更新履歴 †
- 1999.00.00