急がば回れ のバックアップ(No.1)


?:急がば回れ(いそがばまわれ)

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作者

  • どんなに慌てているときでも冷静さを失ってはその目的を上手に達成できない、と言うことの注意として『急がば回れ』と言う言葉があります。同じ様な意味の言葉として現在はちょっと放送禁止になってしまう『慌てる○○○は貰いが少ない』と言う物もあったりします。
    この言葉はことわざとして認識されていますが、多くのことわざが自然派生的に出てきたのと違って、ちゃんと作者が分かっていることわざです。

  • と言うのも、江戸時代初期に書かれた『醒睡笑:せいすいしょう』と言う書物のなかに「急がば廻れと言うことは、物毎にあるべき配慮なり。宗長のよめる〈武士(もののふ)のやばせの舟は早くとも急がば廻れ瀬田の長橋〉にて」とある。
    つまりこの『急がば廻れ』と言う言葉は、連歌の大家・宗長が歌った句の中の一節だったのです。

その言葉の発祥地

  • この句の中で謳われている「瀬田の長橋」と言うのは、江戸初期に制定された初期の東海道のゴール間際が関係している。
    東海道の終点・京都にたどり着く前、ラストの宿場は近江国(現在の滋賀県)の大津だったのですが、草津宿の矢倉から出て大津にたどり着くためのコースが2つあったのです。
    1つは滋賀県のド真ん中にある琵琶湖を八橋から?に乗って渡るコース。
    もう1つは、遠回りになるが瀬田を経由して琵琶湖をぐるりと周遊する陸路コース。

  • もちろん、舟で渡るコースの方が早く、楽で、しかも景色も楽しめるコースとして最高だったわけですが、琵琶湖と言うのは比叡山?から吹き降ろしてくる強風でしばしば荒れることがあったのです。
    その比叡下ろしは予想もできない事が多く、そのために遭難する舟も多かったと言われています。

  • つまり、この『急がば廻れ瀬田の長橋』と言う句は「楽だと思われても危険なコースを選ぶより、遠回りに見えても安全なコースを選びなさい。」と言う、旅の心得を通じて、すべての生き方の教えを差していたのです。

更新履歴

  • 2000.00.00.知泉

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