安堵 のバックアップ(No.1)


:安堵:あんど

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安心できる場所は

  • この《安堵》と言う言葉はもともと中国の言葉で、漢文的な読み方をすれば『堵(と)に安ずる』となります。

  • ここで言われる《堵》というのは生け垣のことで、それが長じて自分の家の事を指す意味になっています。
    結局、安堵出来る場所は自宅だという、けっこう当たり前の言葉なのですが、実はそれにも原点となった事柄があります。

  • 中国の古典『史記:しき』の中にある『田単伝:でんたんでん』で、田単がその時代の将軍・《燕将:えんしょう》へ大金を贈り「どうぞ、我が家だけは襲わないで妻や子供たちが居るここを安堵の地にさせて欲しい」と手紙を書いたために、襲われることは無かったと言うエピソードから出てきた言葉です。

本来の家・土地と言う意味

  • この言葉が一般的に「安心できる」と言う意味で使用されはじめた時期は不明ですが、鎌倉時代に書かれた『源平盛衰記』の中では「沖吹く風も和ぎて、岸打つ浪も静なり、舟中の者も安堵して」と書かれています。

  • 室町時代になると、この『安堵』と言う言葉は精神的な意味だけではなく、自分の領地と言う意味で《安堵の地》などと言うようになります。
    先祖伝来の土地をそのまま受け継ぐ事を《本領安堵》などと言い、土地の権利書を《安堵状:安堵の下文(くだしぶみ)》などと言いました。

  • 2001.02.09記載

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